「もう、なんだ? やめろと言うならやめるぞ?」

高ぶった場所が痛いぐらい固くなっているのを知っていて、藤堂はわざとらしくその手を放していく。愛撫されなくても内腿や膝が揺れてしまう。

「イヤ、だ……」
「だから、何がイヤなのか言ってみろって」
「……意地悪だ」

上目遣いに藤堂を睨みつける。でもそのぐらいでは藤堂は表情を変えたりしない。

「そんなの前からわかってたことだろう?」

それこそ開き直った言葉に、ダメージを食らうのは俺のほうだ。

「暖めて欲しいと言ったのはお前だ」
「そうだよ。暖めて欲しいとは言ったけど、意地悪して欲しいなんて言ってない」
「知らないのか? 俺の中で『暖めて欲しい』と『意地悪して欲しい』は同意語なんだ」
「な……っ」

そんな都合のいい解釈、聞いたことがない。

「文句言う前に、素直になれって」
「あ……っ」

鎖骨の辺りに歯を立てられ、ぐっと下肢を掴まれる。そして舌全体を肌に押しつけながら指に力を込められる。じわりじわり全身に広がっていた快感が急激に脳天まで突き抜けていく感覚に、背筋を大きく弓なりに逸らした。

「ああああ……」

一気に高まる悦楽に、頭の中が瞬間、真っ白になった。
泣き出したい衝動に駆られ、視界が潤んでくる。解き放ちたいのに解き放てない。ぎりぎりまで追いつめられてなお高みに向けて追い立てられる感覚に、体中が疼いている。
頭を左右に振り腰を捩り上下させる。もどかしさから藤堂の腕にしがみつき、腰を浮かせていく。
微かに触れる藤堂自身も、俺に負けないぐらい固くなっている。何枚も重なる布越しに伝わる熱を感じて、さらに煽られる。

「藤堂……ホントに、もう、ダメ」
「だから、どうして欲しいか言えよ」  

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